気がつけばもう9月も終わり。
ついこの前まであんなに暑かったのに、
あっ
という間に夏がどこかへ行ってしまった。
なにかやり忘れてることはないか?
あるっ!
海だっ!!
今年は諏訪、那須、会津と
海無し県ばかりに出向いていたせいで
まだ潮風を全く感じていなかった。
また来年の夏でもいっかぁ、、、
なんて思ってみたりもするが、思い立ったが吉日。
これは寒くなる前に行くしかないっ!!
昼過ぎに仕事を終え、
早速海へと向かう電車に乗りこんだ。


目指したのは鎌倉駅から更にバスに乗り継いだ先の材木座海岸。

到着した頃にはすでに陽が落ち始めていたが、
それでいい。それがいい。
これみよがしにサザンを聴き、
駅前のコンビニで買い込んだ酒を片手に
ただただのんびりと沈む夕日を眺める。。。

夏の終わりを告げるような秋風が
ほろ酔いの体をそっとなでていく。
なんだか結構グッときたぜ。。。

血中サザン濃度もぶち上がったところで、
そろそろあそこに行ってみますか。
材木座海岸に来たのはもちろん、
お目当ての酒場があるからだ。
黄昏れてた海岸からわずか100mそこそこの住宅街にひっそりと佇むのは、
瓦屋根の風格がバッキバキの萬屋商店さん。

ずっとここの店先で飲りたかったのだ。
さっそくエントリーし、
山盛りのカーゴトランクからドリトスと瓶ビールをいただき、
いざ瓶提灯っ!



今日も瓶提灯がビンビンだぜっ!
グラスを傾けながらまったりと内観を楽しみ、
お店のお母さまにお話を伺ってみた。


お母さまによると創業は大正初期で、
関東大震災(1923年)の被害を受けたのちに
今の建物になったとのこと。
いわゆる百年酒場だ。
お母さま夫婦で4代目となるが店主の高齢化と跡継ぎ不在のため、
なんと来月いっぱいで閉業されてしまうとのことだ。


なんてことだ。
来年でもいっかぁ。
なんて言ってたら確実に後悔してたところだったぜ。
いろいろと話を聞かせてもらっていると、
次第に常連さん達が続々と集まってきた。


みなさんの話題はもちろん
今後の萬屋商店についてだ。
更衣室を作って海の家なんてどうだ?
ギャラリーが意外と儲かるらしいぞ。
それならガールズバーだって!
〇〇ちゃん接客やんなよ!
えぇ〜っ!ムリムリー!!
いろんな意見が飛び交い、
ネクストステージに向けて何か良い案が無いかと
みなさん楽しそうに淋しさを掻き消してらっしゃる。
それをニコニコと聞いてるお母さま。

ワイガヤしながら酔いお酒タイムを過ごしていると
なんだかトイレに行きたくなってきた。。。
お母さますいません、
おトイレってどこですか?
あ、トイレ?
はいはいこっちよ、案内するわね。

お母さまに連れられ、
ぐるっと店の裏手に回ると現れたのは、
エンビ管の上にブリキの缶が乗っかった灰皿のようなオブジェ。

フタを開けて、
用が済んだらホースで流してね。
とのこと。
信じられるかい?
これが男性用小便器なんだぜ。

いままで幾千ものトイレと触れ合ってきたが、
こんな小便器は始めてだ。
え、放尿したらホースで放水ってことすね?
しょうもないダジャレが思わず出てくるこの小便器が愛しくなくもない。
こんな体験が出来るのも古い建築物ならではだろう。

・・・で、
お母さますいません、
えっと、僕、、、
ウン◯コしたいんすけど。。。
やだっ先に言ってよっ!
いやいや、なかなか
ウン◯コしたいんですけど!
って宣言する大人も少ないかとっ笑

サイコーだぜ、萬屋商店さん。
サイコーの百年酒場だ。
その後も常連さん達に混ざり、
オツマミのお裾分けまで頂いて、
ただただ酔い夜を過ごさせて頂いた。


こんな酒場の灯火があともう少しで消えてしまうとは。。。
間に合って良かったぜ。
今後の動向はまだまだ未定だろうが、
形を変えてでも存続できればと切に思う。
願わくば将来の萬屋商店にもあの小便器がありますように。
またいつか飲れる日を楽しみに待ってます♪

萬屋商店
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