車中泊の旅2日目。
那須から福島県の横向温泉まで足を延ばし、
湯ったりとひとっ風呂。


貸切風呂で大独泉を満喫し、
看板犬のケンシロウ君にお見送りまでしてもらって
大いに癒しタイムを過ごすことができた。


さてさて、今宵の宿(コインパーキング)と酒場はどこにしようかなとGoogleマップをチェック。
福島駅界隈で円盤餃子で一杯なんてのもいいが、
喜多方で朝ラーも捨てがたいぞ。。。
んー、、、
しばし悩んだが、
そうだ、僕は常に明日を見据える漢だ。
今宵の酒のさらにムコウ側、、、
朝ラーに決まりだ。
酒はもとより、翌朝のラーメン食べたさで喜多方へと向かい、
一晩500円の宿にチェックインっ!

さぁさぁどこで飲りますかと
スマホ片手に酒場調べをしながらコインパーキングを出ると、
すぐ真横にグッとくる酒場をロックオン!
あれこれ調べるのも大事だが、
直感で酒場を決めるのはもっと大事なことだ。
己のシックスセンスを信じていざエントリー!



店内は落ち着いた雰囲気で、
どこか凛とした空気が流れている。
まずは大瓶を頂いてノドをサッとお掃除だ。

待ってましたと言わんばかりにノドがグビグビと音をたてやがるぜ。
ひと呼吸したところでメニューを眺めると
『会津 田舎家』の屋号に偽りなく、
会津地方の郷土料理達がこれでもかと並ぶ。
この後の宴会用なのか、
カウンターに並ぶ面々もツマミ選びの酔いヒントになりそうだ。

あれこれ悩ましいが、ここはじっくり酒に合わせて戦わせてみますか。
この大瓶と戦わせるのは、、、
うん、これで間違いないだろう。
まずはサクッと揚がった『ニシンのてんぷら』だ。

やはり揚げ物とビールはナイスマッチング。
サクサク歯応えに全歯が泣いている。

そして会津と言えば山塩。
お次は『会津地鶏の山塩焼き』なんてどうだ。

地鶏の皮がパリっパリに仕上がり、
素材の旨みを最大限に引き出す山塩がいい仕事をしている。
塩味の中にもどこか甘みを感じるぜ。

さすがは山塩、サイコーだ。
やっぱ山塩に任せとけば間違いないよな。
すげーじゃん山塩。。。
ところで、、、
山塩ってなんですか???
会津には過去にも何度か訪れているが、
これまで山塩を意識したことが全くなかった。。。
気になったので調べてみると、
遥か昔、海から遠く離れた会津は塩の入手にとても苦労していたそうな。
そこで塩分を多く含む温泉(強食塩泉等)を煮詰めてなんとか塩を作っていたのだ。
だが、海水と比べると温泉水は塩分含有量が低く、
流通が発達した近代に於いてはとにかくコスパが悪い塩。
それでも独特の風味を持つ山塩の魅力や文化を伝えようと現在でも生産が続けられ、
会津の山塩として承認店でしか感じることができないプレミアムな塩となったというわけだ。

そんな山塩に舌鼓を打っていると、
あっという間に大瓶と戦い終えてしまった。
さてお次は何がいいかな。
普段あまり日本酒は飲まないが間違いなくここは日本酒だろう。

ふむふむと日本酒ラインナップを眺めててグッときたのが、会津中将。
僕にとって会津と言えばこの中将で、わずかばかりのエピソードがある。
夏季限定ボトルの可愛らしさにもグッと来たので中将で決まりだ。

これと戦わせますは、、、
『ニシンの山椒漬け二種盛』と
『馬刺し上ロース』なんてのはどうだろうか。

てんぷらに続きまたもやニシンをセレクトしたが、
山塩同様にニシンもまた海無し県の会津の食文化を語る上では欠かすことの出来ない存在だ。

醤油漬けをひとくちかじってはお猪口をクイっ。

山椒漬けもひとくちかじってはまたお猪口をクイっ。。。

ばんざーい!
バンザーイ!!
BANZA〜Iっっ!!!
この山椒漬けに自然とココロが万歳“三唱”した。
もちろん馬刺しだって忘れちゃぁいけない。

かの有名な昭和のプロレスラーであり大ヒーローであった力道山が会津に興行に来た際、
立ち寄った精肉屋にぶら下がる馬の枝肉を見て、
『これを生で食べさせてくれ』
と、持参していた辛味噌と一緒に生で食べたのが会津の馬刺し文化の始まりだと言われている。
いつしか日本三大馬刺しのひとつに数えられ、
長野の旨み、熊本の霜降りに対してさっぱりとした味わいが特徴の会津の赤身は、
ニンニク風味の辛味噌と一緒に頂くのが会津流となったのだ。
そんなウンチクを思い返しながら改めて口腔内を酒で洗い流し、
舌の感受性をリセットさせたところに馬刺しをリングインっ!

ひんやりとしたあっさり馬肉を噛み締めると、
ガツーーーンと辛味噌が主張をしてくる。
そこにすかさず酒をクィィーーーっ!!
そしてまた辛味噌だけを舐めてガッツーーーんっ!!
いいぞいいぞ!いったれ〜!
この馬刺しと地酒の戦いに自然とココロが叫びだした。
それはまるでリングの上で戦う力道山を応援するかのような叫びだ。
会津の馬刺しの破壊力たるや、
力道山が放つ『空手チョップ』そのものだ。

最後の〆はもちろん、アンコールで空手チョ、、いや、
馬刺しの握り『桜寿司』と『こづゆ』のタッグをコール!

再び辛味噌の破壊力をガツーンと一身に受け、

きくらげ、細竹の子、人参、椎茸、里芋と、
豊かな会津の大地がそっと寄り添うこづゆの優しさにダウン。。。

文句無しの3カウントを奪われた大会津酒の夜だった。


会津 田舎家
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