それがいちばんのツマミ。(巣鴨/大衆割烹 阿季)

飲み歩き
ちょっとだけ広告です。。。

 

はい、いらっしゃぁ〜い!

お兄ちゃんひとり?

はいじゃぁここどうぞ〜

あたためといたよ〜

⁡ 

カウンター席でくつろいでいた女将が

冗談混じりにそう言って席を空けてくれた。

⁡ 

ありがとうございますっ!

 

うわっ、あったかっ!!

これ、

TOTOの便座ぐらいあったかいじゃないすかっ!

 

女将の冗談に応えるべく、

僕も小ボケをかますと

あははと屈託のない笑顔を女将が見せた。

  

 

はい楽しい。

もう楽しい。

 

入店15秒で今宵の勝利が確定した瞬間だった。

 

女将の温もり残る椅子に腰をかけ

脊髄反射で『瓶ビール1本!』と発声。

 

 

さっと喉をアルコール消毒したら

早速ツマミラインナップと面談だ。

 

 

 

 

気になるメニューをいくつかロックオンしたが、

こちらのオススメは『どぜう』とのこと。

 

 

実は僕、

一度もドジョウを食べたことがなく、

おそらくこの先も触れ合うことが無いだろうと思っている食材が、

ナマコとこのドジョウだ。。。

 

聞けばこちらは創業50年にもなる

バッキバキの老舗酒場とのこと。

女将のバンダナからも気合いがビンビンに伝わってくる。

 

 

僕にはわかるぜ、女将。

そのバンダナの巻き方は、

ガンズ・アンド・ローゼスのアクセルや、

ブルーハーツのマーシーと同じタイプのヤツで、

そんじょそこらのラーメン屋の兄ちゃんとは全くの別物だ。。。

  

  

よっしゃ、

僕のどぜう童貞をこの女将に捧げようじゃないか。

 

『どぜう柳川鍋お願いしますっ』

 

女将の意気込みに僕のココロが動いた。

 

ドジョウは生きたヤツじゃないとね

 

そう言って見せてくれるオネエさま。

 

 

鍋の中で元気に動き回るその姿に期待が膨らむ。

 

しばらくすると、

カウンターの向こう側で調理をしていた女将が、

なにやらオネエさまとヒソヒソと相談をし始めた。

⁡ 

 

これ醤油どれぐらい?

え、みりん?

私はみりん入れた方が好きだなぁ〜

 

みりんなかった、、、

 

あ、

あったあった、、、

⁡ 

・・・。

 

 

そうして完成した老舗酒場オススメするどぜう柳川鍋。

 

 

たっぷりと新鮮なドジョウを使ったシッカリ目の味付けで、

2〜3匹ちゅるっとすすってはビールをゴクリのループが止まらない、

ちょうどいい塩梅の肴だ。

 

 

調理中も含め、いろんな不安がよぎったが

僕のどぜう初夜はこの女将で酔かったぜ。。。

 

 

さてお次は、、、と、、、

おっと、

また圧強めでおすすめしてくる

香ばしいヤツがあるじゃないか。

赤文字でイチオシと書かれたまぐろ丼が気になるぞ。

 

 

ただ、まぐろ“丼”の白飯の部分はちょっと重たいかな。。。

 

こういうときには便利な酒飲み言葉がある。

〇〇丼のアタマを下さいと言えば、

白飯を抜いた“うわみ”だけで出して頂けるのだ。

 

例えば、

カツ丼のアタマ下さいと言えばカツ煮の部分だけ頂けるシステムで、

酒飲みならではのちょっと粋な頼み方だ。

 

それで行きますか。。。

 

すいませんっ!

まぐろ丼のアタマ下さいっっ!!

 

⁡気持ち良く酔わせて頂いている僕は

少し弾んだ声で女将にお願いした。

 

 

黙る女将

 

もしや品切れか?

 

 

まぐろブツでもいい?

 

 

はっ、しまったっ!

 

そ、それでお願いしますっ!

 

よく見ればメニューにまぐろブツあるじゃん!

 

 

恥ずっ!!

イキってすいませんでしたっ!!!

 

それでもニッコリの女将。

ドジョウ操る女将の笑顔に

僕もすくわれたのだった。

 

 

 

冷蔵庫からまぐろのサクを持ってきたオネエ様が

 

ごめんねぇ〜

赤身じゃなくて中トロ寄りになっちゃうけどいい〜?

 

と申し訳なさそうにされてたが、

切り出されたまぐろブツは

ビラビラとした薄ピンクの色気ムンムンなやつで、

“寄り”ではなく中トロど真ん中

舌の上でねっとりとトロけるやつ。

 

 

 

このまぐろブツに文句があるヤツは

僕がブッてやるぜ。

 

 

わざわざ氷屋から仕入れているという

純氷で作るホッピーもまた絶品だ。

 

 

 

 

うまい酒

うまいツマミ

そしてなにより

女将の笑顔

 

他に何が要るっていうのよ。

⁡ 

久しぶりに酔い酒場に出会ってしまった夜だった。

 

 

 

 

大衆割烹 阿季

完読ありがとうございました!

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