前回、
閉業された町中華
ターキーの看板にインスパイアを受け、
元店主がこよなく愛したであろうラーメンの味を追い求めて
高円寺の七面鳥に訪れたわけだが、
そこで直面したのは、
(新宿店は)うちとは無関係ですよ
というまさかの展開。。。
ちゃんとしたメディアの記事でも
新宿店から暖簾分けをされた
と書かれているというのに。。。
どうにも釈然としない僕は何か情報が得られないかと思い、
再び看板だけが残るターキーの跡地を訪れてみることにした。
都電雑司ヶ谷の駅を降り、
夏目漱石やジョン万次郎など多くの著名人が眠る
雑司ヶ谷霊園を通り抜けた先に目的地はある。
鬼太郎ファミリーなら大運動会ができそうな広さを誇る墓場だ。
恐る恐る霊園を抜け、
ほとんど人通りのない薄暗い通りを進んでいくと、
遠くの方でまばゆい光を放つものが見えてきた。
ん?
あの明かりは?
徐々に近づいていくと
目を疑うような光景が見えてきた。
なんと、
あのターキーの看板に灯りが付いているではないか!
え?
ターキーって閉店したんじゃないの?
看板だって真っ白に塗りつぶしてたのに
ターキーの文字がちゃんと読めている。。。
え???
どうやらラーメン屋さんが営業されているようだ。
これはもしかしてキツネか妖怪に騙されているのか?
気がついたら肥溜めでションベンのビールを飲まされていた。。。
なんてことはないだろうか。
まぁそれでもいいさ。
とにかくこの信じ難い光景をスルーする気はないぜ。
思い切ってドアを開け店内にライドオンすると、
そこには笑顔がとてもチャーミングな屈強な男が立っていた。
角田信明タイプの妖怪か、、、
思わずココロの中でそう呟いてしまったが、
どうやらちゃんとした
角田信明タイプの人間のようだ。。。
カウンターに腰を下ろし、
一旦大瓶で気持ちを落ち着かせる。
せっかくなのでラーメンをすすりながら
屈強なマスターにいろいろと尋ねてみると、
やはりそこにはたくさんのドラマが隠されていた。
このマスターはもともとターキーの常連さんで、
やはりターキーのラーメンをこよなく愛したそうな。
4年ほど前にターキーが閉店した際、
お店の前に出てた
ご自由にどうぞ
のラーメンどんぶりをひとつ貰おうとした際、
全部持ってっていいよ!
と店主に言われたので全てを引き取ったそうな。
そして長い年月を経て、
いままたこの場所でアツアツの一杯を受け止め
再びこのどんぶりは輝き出したのだ。
ターキーの忘れ形見はそれだけじゃない。
独学で学ばれたというこのラーメンもまた、
他の元常連さんたちの目頭がアツくなるという
ターキーの面影が垣間見える一杯だそうな。
思い返せば、
ターキーの店主も新宿七面鳥の味を想い、
独学でラーメンを作られていた。
ここの店主もまたターキーの味を想い、
独学でラーメンを作られている。
僕が探してた見知らぬ店主の想いに
ようやく辿り着けたような気がした。
余談だが、
例の白塗りにされたあの看板。。。
遠慮なくひと思いに塗りつぶしたのは、
他ならぬこの店主だそうなwww
そして僕の横に座るこちらの常連さん。
こちらの方もターキーの大ファンで、
毎日ターキーに通おうと思い、
ここの近所に売りに出てた取り壊し予定のアパートを買い上げ
新居を構えようとしたのだが、
何を隠そう、
そのアパートこそがターキーの店主が閉店を余儀なくされることとなる、
立ち退きとなってしまったアパートだそうな。。。
なんかオレが追い出して
ターキー潰しちゃったみたいでさぁ〜
やんなっちゃうよ〜
と申し訳なさそうに言うが、
もともとは取り壊しが決まってたこと。
そんなエピソードもまた、
この店での酔いツマミだろう。
そして最後にこちらのラーメン屋の屋号の由来。
カフェ ハムボーン
とはなんなのか。
ボーリング用語でストライクを3つ連続で取ることを
ターキーと呼ぶことにちなみ、
ターキーのさらにひとつ上
の店にしたいと言う思いを込めて
ストライク4つを意味する
ハムボーン
をこちらのマスターの娘さんが名付けたそうな。
その名付けの娘さんが
将来的にはここでカフェをやりたいとのことで、
カフェ ハムボーン
となったそうな。
ラーメン屋なのにカフェとは違和感を感じるが、
カフェってついてる方が
ラーメン屋としてのハードルが下がっていいでしょ♪
と屈強なマスターがまたチャーミングに笑う。
カウンターの上にはいくつかのウイスキーも並び、
ちょっとしたバーの側面も持ち合わせている。
ラーメンで〆てもヨシ、
ウイスキーのロックで〆てもヨシの、
これもまた酒場界の二刀流と言えよう。
昨年の11月に開店したばかりのハムボーンさん。
まだ食べログにもGoogleマップにも出ていない(訪問当時)
こんな酔い酒場にたどり着いた時、
酒場巡ラーとしてのアドレナリンが溢れ出てくるのです。
たくさんの想いをツマミに酔い酒をいただきました♪
カフェ ハムボーン
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