これまでに訪れた酒場で
一番セマい酒場
はどこかと聞かれたときに
僕の中で思い浮かぶのが、
今は無き京成立石の『呑んべ横丁』の酒場たちだろうか。
その中のひとつしらかわさんで言うと
L字カウンターに7人も座れば満員御礼だった。
あとは、
つい最近訪れた荒川区の街中華、
永新さんもなかなかのセマさだった。
同じくL字カウンターに7人ぐらいは座れるが
席と背後の壁のスペースが背もたれかってぐらい皆無。
一番奥に座ってた僕が食べ終わって退店しようとすると、
出口までの道のりにいる客全員が
一旦外に出ないと抜け出せない
というレイアウトなので、
お会計をお願いするのも、
もうすぐあのおっさん食べ終わりそうだな
となりのお兄さん達2人組はまだ注文したばかりだよな
よし、隣のお兄さん達の料理が来る前の、
あのおっさんが食べ終わった時がベストタイミングだ!
などの高等なテクニックも要求されるセマ酒場だった。
とは言え、それでもまだ広いほうかもしれない。
新宿の新宿ゴールデン街や、
渋谷ののんべい横丁あたりもなかなかのセマさと聞く。
それでも5人ぐらいのキャパはあるんじゃなかろうか。。。
前置きがかなり長くなったが、
今回訪れた酒場はそんなもんじゃない。
座席は、
椅子3脚(うち1脚はお母さまの荷物置き場)と、
腰掛けの2箇所で
一見5人は座れそうに見えるが、
腰掛けは足を通路に投げださないと座れない作りなので、
椅子もしくは腰掛けどちらかの使用となり、
事実上、キャパはたったの2名www
いや、そりゃね、
無理をすればもう1人ぐらいは座れるかもしれないけど、
それはもう顔見知り同士ならばのレベルで、
赤の他人の距離感ではないやつ。。。
そして、店内のセマさを助長しているのが、
過剰に溢れるモノたちだ。
オシャレなオードリーヘップバーンの写真や、
お母さまの出身が秋田県森岳ってことで
金足農業高校のペナントまでは
まだギリ理解できるが、
アムロちゃんのファイナルツアーのパネルなんて
いったいどこから持って来たんだろう。。。
気になったので聞いてみると、
どうやらどれも全部、
常連客が勝手に置いてったものらしい。
そんなものが山積みになっているから
もはや店というよりも、
ただの
片付けが苦手なおばぁちゃんちだ。。。
実際、お母さまはこの店の2階に寝泊まりされてるそうで、
調理場のすぐ横の傾斜のキツい階段を
ハシゴのように上り下りしてるとのこと。
お歳を聞くと85歳。。。
なかなかハードモードな生活をされてらっしゃる。
そんな
ほぼおばぁちゃんちの居間
みたいな酒場でのお目当てツマミは、
餅のいそべ焼きだ。
もともとは大塚の駅前でいそべ焼きの屋台をやられていたそうで、
時代の流れとともに屋台営業が厳しくなり、
26年前の平成10年ごろから自慢のいそべ焼きを引っ提げて
こちらのうどん屋さんで働き始めたそうな。
ごま油でじっくり揚げ焼きした餅に
26年継ぎ足してるとされる秘伝のしょうゆたれを絡めて
海苔でくるんと巻いたいそべ焼きは
揚がったカリカリの部分と
中心部のモチモチの部分のコントラストが
お世辞抜きでうますぎた。
最初に2つ食べて、
あまりのうウマさに
さらに2つ追加してしまうほどの中毒性☠️
これはもう、僕の中の
いそべ焼きランキング
ぶっちぎり1位のうまさだった。
そしてもうひとつの看板メニューが
素うどん
屋号が四國屋と言うとおり、
もともとここはうどん屋さん。
せっかくなので素うどんもひとつ頂くと
ネギ、刻み海苔、天かすなど、
素とは思えないほどの豪華なトッピングが乗る。
これで300円とはもうほぼ原価の
ボランティアメニューだwww
ちょうどこの日は東京都心に初雪が舞った日。
暖房がオフの
激セマ激サムの店内で
いそべ焼きと酒たちを戦わせたあとに食べる
こんなあったかい素うどんがたまらなく沁みる。。。
先週成人式を迎えたばかりの新成人に教えてあげたい。
ガールズバーやキャバクラもいいだろうけど、
この激セマ酒場四國屋で
いそべ焼きとお母さまの話をツマミに飲んで
あったか素うどんで〆るのも
いいもんだぜ。
四國屋
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