まだまだ続きます、大阪旅。
せっかく大阪まで来たので、ちょっとテツな僕は『ちん電』も味わいたいなということで、
今でも勝手に師匠と仰いでいる鉄道写真家・中井誠也氏のブログ『1日1鉄』の名シーンをなぞるように、阪堺電車の線路際をスマホ片手にふらりふらり。

あぁ、やっぱ来て良かったなぁ、、、と、
15年前に見ていたブログと同じ景色に
なんだか熱く込み上げてくるものがある。



そう言えばこの近くに、
全国を知り尽くした旅食人さんがオススメしてくれたコロッケ屋さんがあったよなぁとふと思い出したので、
線路際を離れて天下茶屋のひなびたアーケード商店街に潜り込んで行くと、、、



あったあった!
藤田てんぷら!

茶色いアーケードの下、
茶色い店構えで、
天ぷら、フライ、ヒレカツ、コロッケと、
茶色オールスターズを宝石のごとく輝かせてらっしゃる。


どれもめちゃめちゃウマそうだが、
ここはやはりオススメされたコロッケを所望するのがベターだろう。

お母さまにひとつお願いし、
おやつを買いに来た少年のごとく店前でさっそく開封。

あ、ソースないじゃん!
と一瞬怯むが、
まぁソース無いならソースるしかないよねと、
そのままプレーンでひとくちかじると、、、
わっ!あまっっ!!!
そしてやさしっ!!
おそらくジャガイモ由来の甘さなんだろうけど、
こんなにも優しい甘さが出せるもんなのだろうかってぐらいソフトでやんわり甘い。

これはヘタにパンチの強いソースなんかでかき消さず、
シンプルにこのまま頂くのが大正解だと確信。
もうソースなんか要らねぇぜ!
心底そう思えた瞬間だった。

咀嚼の度に甘みが湧き出す、
素朴で駄菓子のようなコロッケをほぉ張りながらしみじみと歩いていると、
どこからともなくソースの香りがふんわりと漂ってきた。
が、あたりを見回してもそれらしい店は見当たらない。

どうした、どうした、オレ。
つい今しがた脱ソース宣言をしたばかりだが、
やはりコロッケにはソースだよなという潜在意識から
妄想だけでソース味を降臨させられる特殊能力が開花してしまったとでも言うのだろうか。。。
超絶どうでもいい才能開花の予感を感じながら食べ歩いていると、
昭和レトロな佇まいがグッとくる一軒をロックオン。

すがれたテント屋根には『お好み焼』の文字。。。

間違いない、
僕の魂を揺さぶってくる震源地はここだ。
こんな佇まいと匂い、スルーする方が難しいぜ。。。
芳醇なソースの匂いに呼び寄せられ、
ガラガラっと引き戸をスライドさせると、
いらっしゃぁ〜い
ここど〜ぞ〜
と、桃色ほっぺが可愛らしいお母さまが
目の前のアリーナ席に迎えいれてくださった。

おっ!
育っていくお好み焼きを眺めながら飲れるなんていいじゃない!
早速着席し、まずは瓶ビール!
とりあえず瓶提灯でもカマしますか!

とても感じの良いお母さまだったので、
今からここに提灯作るから見ててね!
と意気揚々とオーディエンスを申し入れると、、、
稀にみる大失敗っ!

ドヤったわりにはビショビショにしただけの、
ただただ恥ずかしいやつっ!
お母さま以上に赤面してしまったぜ。。。

気を取り直してモダン焼をお願いし、
ソイツの成長過程をツマミに、
今度は大人しくゆっくりとグラスを傾けていく。


BGMのNHKのど自慢が、
はやる気持ちを鎮静化してくれる。

じっくりと蒸らし、
ジラシにジラされ、、、
カパァっとご開帳〜!

からの〜、
ソースのファンデーションに
パールグロウなマヨのハイライト、
仕上げに紅生姜のチークでお化粧したら
ベッピンさんなモダン焼の完成っ!!

おもむろに鉄板からワシっと掴み上げ、
アツアツのところをひとくちはふっ!
うんまっ!!
ソースうんま!!!

鉄板の上で立ち昇るソースのコゲた匂いの香ばしさよ!
ちなみにこちらのソースは、
地元・西成発祥のヒシ梅ソースとのことで、
大阪の粉もんにバシっマッチングしてくる。

やっぱ、お好み焼きもフライもコロッケも、
茶色いツマミには茶色いソースがイチバン合うんだよなぁ〜

今更ながらそんなことを、
桃色の時計が掲げられている店の
桃色ほっぺのお母さまのモダン焼をアテに
桃色の缶ビールを傾けながら思ってみたりもした、
アメ色レトロ商店街の春らしい昼下がりでした♪



お好み焼き はたなか
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