急に何を思ったのか、
いきなり始めた梵寿綱建築巡り。


何かに取り憑かれたかのように一気に巡って来たのだが、
その最後に訪れたのが
池袋と東池袋の中間ぐらいにあるルボワ平喜。


梵寿綱建築と言えば、
足元のタイル画や
大きなステンドグラス
などが特徴的だったが、
こちらはこれまでの建築物とは異なり、
どこか控えめな印象。

なぜここの足元はあまり装飾されていないのか。
なぜステンドグラスが小ぶりなのか。
あのチンアナゴみたいなのはいったい。。。

そう言えば誰かが言ってた。
アートに答えを求めてはいけない。
考えるな、感じろ。と。
なるほど、
ナゾが多い方がなんとなくグッとくる気がしてきたぜ。
僕にもあったわずかなアート魂がくすぐられる。
だがこの建物、
もっと別の角度から僕をくすぐってくる。。。
なんと、
エントランスの横には立ち飲み屋さんがアーティスティックに溶け込んでおり、
コッチコッチとおでん出汁の匂いで
僕の鼻腔をくすぐってくるのだ。


もともとこの建物は酒屋・平喜屋さんの事務所兼倉庫で、
その空いているスペースを改装し、
いわゆる角打ちを営まれておられる。
もしや、、、
この中にも梵寿綱作品があるのでは。。。
お邪魔しますっ!!



鼻の穴をおっ広げながらエントリーすると、
店内には豊富な種類の酒瓶が並び、
酒場界隈の著名人の色紙も連ねるバツグンの酒場風景。



バツグンではあるのだが、
探していたアートな光景とはちょっと違うような。。。
まずは酒だ酒だと冷蔵庫から瓶ビールを手に取り、
カウンターでお会計しようとすると、、、
わっ!見つけた!!
こんなとこにタイル画がっ!!

って、いかんいかん、
タイル画を見過ぎてきたせいか、
カウンターのツマミ達がアート作品に見えてしまったぜ。
いや、どちらかと言うと、
これはサラリーマンの業績グラフ。

それならば業績トップを誇るマカサラがベストセレクトか。

いや待てよ、
よく見ればポテサラの方にはウインナーが添えられているぞ。
むしろこっちの方がデキるヤツ感がビンビンだぜ。。。
すいません、ポテサラひとつっ!!

ほんのり食感が残るジャガイモに、
コリコリのきゅうりとにんじん。
黒コショウがガッツリと効いていて、
酒のパートナーとしては優秀すぎるぜ!
箸が止まらぬまま掘り下げていくと、
箸先に何やら異物の存在を感じた。
もったりとしたポテサラの中から掘り上げてみると、、、
うわっ!
デジャヴっ!!

なぜまたウインナーなのか、
なぜポテサラの底に隠したのか、
いやこれはソーセージなのか。。。
ナゾに包まれてるこの感じ、、、
ある意味これもアートだ。
もちろんこれも答えを求めちゃいけないヤツだろう。。。
結局、梵寿綱感を見出すこともなく、
ただただうまいツマミでステキなお酒タイムが過ぎていく。。。


ここには梵寿綱作品は無いのだろうか。
答えを求めてはいけないのがアートの世界。
だが、、、
あ、すいません
アートなやつどっかにありますぅ?
ついに痺れを切らし、
店主にしてみたら意味不明なぐらいド直球な質問を投げかけ、
率直に答えを求めてみた。

え?
あぁ、あれね、
あそこにあるよ。
おもむろに店主が指差したその先には、、、
あっ!!

まっっったく気づかなかったが
天井の網にはステンドグラスが放置されていた!

裏の倉庫にも何枚かあったような気がするなぁ〜
なんと倉庫にもいくつか放置されているとのこと。

ほらあれもそうだよ。
わっ!こんなとこにもっ!

それホントはもっと長かったんだけどね、
じゃらじゃらうるさいから
ちょんぎっちまったよ!
えーっ!!
芸術品をちょんぎったっ!?

おやっさん、、、
アート作品になんてことするんですか、、、
僕、、、
アーっト驚いちゃいましたよ。。。
こんなしょーもないこと言う自分にも
アーっと驚いてますが。。。

もともと酒飲みだったおやっさんが
独学でつくられているツマミたちもまたどこか芸術品。


こんな酒場でアートに触れながら一杯、
いかがでしょうか?



たちのみや 喜平
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